1.肥満とはどういうことか

肥満とは単に体重が多いということではなく、体脂肪が必要以上に多い状態のことです。成人の場合の正常な体脂肪率は男性の場合で約15%~20%、女性の場合で約20%~25%といわれています。

それに反して、男性の場合で25%以上、女性で30%以上の場合肥満状態であることになります。しかし、体脂肪率を正確に測るのは簡単ではないので、BMIを使用することもあります。BMIとはBody Mass Index(肥満指数)の略で、耳にしたことがあるかもしれません。

BMIは『体重(kg)÷身長(m)の2乗』で計算します。体重70kgで身長が1.7mの場合、BMI=70÷(1.7×1.7)≒24.2となります。

日本肥満学会の基準によると、BMIが、18.5以上25未満なら正常、25以上なら肥満とされています。

2.肥満の原因は?

ごく単純化すると、

    摂取するエネルギー>消費するエネルギー

の場合にその余った分が脂肪として体に蓄えられ肥満の原因となります。つまり、食べすぎと運動不足が肥満の原因です。また、食べ方にも肥満の原因になります。たとえば、夜寝る直前に食事をすると太りやすくなります。つまり、日中は食事で摂ったエネルギーがすぐ消費されるのに対して、寝る前に食べると寝ている間はエネルギーの消費が少なくなるので、エネルギーを脂肪としてためこみやすくなります。

また、食事の間隔があいて空腹の時間が長いと、その後に摂った食事で脂肪がたまりやすくなります。体は空腹の時間が長かったので次もまた長時間食事をすることができないかもしれないと考え、飢えに備えてエネルギーをためておこうとします。

では、なぜ体は脂肪としてエネルギーをためようとするのでしょうか。もし、エネルギーを貯めておくことができないと、常に食事をしていないと体を動かすことだけでなく、体温の維持や心臓を動かしたり呼吸をしたりといった生命を維持するためのエネルギーがすぐ足りなくなってしまいます。

それでは、何らかの理由で長期間食事をすることができないと、生命を維持することができなくなってしまいます。そこで、人間だけでなく動物は長時間食事ができなくても生命を維持できるようにするために、余ったエネルギーを脂肪に変えて体にためこむようになったと考えられています。

ではなぜ脂肪なのでしょうか。それは、脂肪が単位容量あたりのエネルギーが多いからです。

 

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