ランニングとダイエット
1.肥満を防ぐ、あるいは肥満を解消するには?
肥満の原因からわかるように、食べ過ぎて摂取カロリーがオーバーしないようにし、適度な運動をすることが肥満の予防あるいは肥満の解消になります。
2.適度な運動
運動することによって、消費エネルギーをふやすことができます。
運動をしないで、食事の量を減らしただけでは肥満解消は困難です。食事の量を減らすことによって、一時的に体重は減少が減少します。しかし、運動をしないで食事の量を減らすだけでは脂肪はあまり減らず筋肉が減ってしまいます。肥満の原因で述べたように脂肪は生命維持にとって最後の砦ですから、なるべく温存しようとします。筋肉が減ることによって基礎代謝が減ってしまうので、より一層太りやすい体になってしまいます。
ダイエットに成功したと思って、少し油断するとリバウンドしてしまう最大の原因は、ここにあると思います。適度な運動をすることはエネルギー消費を増やすだけでなく、筋肉量が増加し、結果として基礎代謝が増え、太りにくい体にすることができます。
3.規則正しい食事
肥満の原因でも述べたように、食事の回数を減らすと、食事の間隔が広くなってしまうので、太りやすくなってしまいます。1日3回の食事を規則正しく食べましょう。ダイエットのために昼食を抜いたりするのはまったく効果がないだけでなく健康にも良くありません。
また、ゆっくりと、しっかり噛みながら食事をすることが重要です。太っている人は往々にして食事の時間が短いですが、これも肥満の原因のひとつです。人間が満腹感を感じるのは、胃袋がいっぱいになったからではなく血糖値の上昇によります。速く食べると血糖値が上昇する前に食べ過ぎてしまいます。よく噛んでゆっくりと食べることによって、食べ過ぎる前に満腹感を感じることができます。また、よく噛むことによって、消化吸収が良くなり食事に含まれている栄養分を充分吸収することができます。
また、間食をしないことも重要です。多くの太っている人は、1回の食事の量も少なくないですが、それよりも間食の量が多いのに気がつきます。間食をすることによって当然1日の接収カロリーは多くなります。
4.どのような運動が適しているか
運動を、エネルギーの発生メカニズムから分類すると無酸素運動(さらに燐酸系と解糖系に分類できます)と有酸素運動に分類できます。
無酸素運動では読んで字のごとく、運動のためのエネルギーを発生させるために酸素は使用されません。無酸素運動は大きな力を生み出すことはできますが、長い時間継続することができません。
一方、有酸素運動では酸素を使って、グリコーゲンや脂肪を燃料としてエネルギーを発生させます。有酸素運動はそれほど大きな力は出せませんが、長時間持続することができます。
代表的な有酸素運動としては、ジョギング・ランニング、ウォーキング、サイクリング、水泳などがあります。この中で私がお勧めするのはジョギング・ランニングです。その理由は、まず第1に手軽に始められることです。サイクリングですと自転車という決して安くはない道具が必要となります。水泳の場合は特別な道具は必要ありませんが、ランニングのようにいつでもできるというわけにはいきません。スイミングプールが使える時間でないと泳ぐことができません。
次にウォーキングに比べて効率が高いことが挙げられます。ランニングもウォーキングも地面の上を移動すると言う点では同じ種類の運動といえますが、速さが違います。ウォーキングやランニングの場合、消費エネルギーはおおむね移動した距離に比例します。具体的には体重(kg)×移動した距離(km)が消費エネルギーになります。体重70kgの人間が10km歩く(走る)とおよそ70×10=700kcal消費します。これは歩く(走る)速度には関係ありません。ですから、同じカロリーを消費するにはウォーキングよりランニングのほうが短い時間でいいことになります。
以上が、ランニングをお勧めする理由です。もちろん、自転車には他の運動にはないスピードの魅力がありますし、ランニングに比べるとひざへの負担が少ないという利点があります。スイミングも同様にひざへの負担が少ないですし、ランニングに比べて全身運動であるという違いがあります。